W杯アジア2次予選で日本に0-14と大敗したものの、モンゴル代表は最後まで必死に戦った。日本でモンゴルといえば、大相撲力士の活躍が有名だが、サッカーの事情はどうなっているのか?

モンゴルは国際サッカー連盟(FIFA)ランキングは190位で、「海外組」はハンガリー1部プスカシュ・アカデーミアに所属するFWガンバヤル・ガンボルド(20)だけだった。

同FWは18年8月に同クラブと契約したが、欧州各国の1部リーグクラブに入団したモンゴル人選手はガンボルドが初めて。欧州でプレーする選手を多数抱える日本とは、チームの成熟具合で差があるのは無理もなかった。

モンゴルサッカー協会は1959年設立。98年にFIFAとアジア連盟への加盟が認められた。代表チームがW杯予選に参加するのは02年W杯日韓大会予選が初めてで、2次予選に進んだのは今大会が初。それだけに2次予選を戦えること自体が同国代表にとっては特別で、名誉なこと。だから大差がついても最後まであきらめずにプレーできたといえる。

国内リーグのエルチムに所属するDFツェデンバル・ノルジモー(32)は幼少期にはモンゴルの伝統的スポーツであるレスリングやアーチェリー、乗馬などをたしなみ、学生時代には多くの大会で優勝を経験したという。だが98年にモンゴルがFIFAに加盟して以降、サッカーの魅力に取りつかれ、学校のチームに所属して頭角を現してきた。

同DFは「初めて2次予選に進んだことは素晴らしいこと。モンゴルサッカー界の発展に大きなインパクトを与えると思う」と話す。これまでモンゴルの子どもたちはテレビでプレミアリーグなどを観戦することが多かったそうだが、国内リーグにも注目が集まりだした。競技人口が増え、国内リーグのレベルも上がれば、いつの日か日本と互角の戦いができる日が来るかもしれない。【千葉修宏】