【マドリード=高橋智行通信員】南野拓実が所属するリバプールはアトレチコ・マドリードに3-2で勝利した。南野はベンチ入りも出番はなかった。

 

1次リーグ1勝1分け0敗の勝ち点4で2位のアトレチコ・マドリードは直近の試合となったバルセロナ戦から4選手を入れ替え、3-1-4-2で臨んだ。1次リーグ2勝0分け0敗の勝ち点6で首位のリバプールは今季、公式戦無敗をキープし、3日前のワトフォード戦からGKのみ変更して4-3-3で戦った。

リバプールのサポーターが3100人が訪れ、大入りのワンダ・メトロポリターノでの大一番、キックオフ後は両チームが相手の出方をうかがう展開となったが、リバプールは前半8分、サラーが右サイドからカットインしてDFを次々とかわしてペナルティーエリア外からシュートを打ち、ゴール前でミルナーが触って先制点を記録した。

リバプールは続く同13分、Aマドリードのフェリペの中途半端なクリアボールをナビ・ケイタがゴールに蹴り込み、早々に2点差にした。

2点を追う厳しい状況に追い込まれたAマドリードだったが、熱狂的なサポーターの後押しを受けながら気落ちすることなく戦い、同20分にレマルが左サイドを突破してマイナスのパスを送り、コケがダイレクトで合わせた後、グリーズマンがゴール前で合わせて1点を返した。

Aマドリードはさらに同28分、デ・パウルのロングパスに反応したグリーズマンがオフサイドラインぎりぎりのところを抜け出し、GKアリソンとの決定的な1対1を迎えるが失敗。しかし同33分、ジョアン・フェリックスのパスを受けたグリーズマンがシュートを決め、Aマドリードが同点に追いついた。

Aマドリードはその後も攻撃の手を緩めず、同40分にサイドチェンジを左サイドで受けたジョアン・フェリックスがゴールに向かいシュートを放つがアリソンにキャッチされ、同43分にDF裏でパスを受けたレマルのシュートも防がれた。

序盤はリバプールが優勢にプレーし2点を先制するも、Aマドリードはグリーズマンの1点目を口火に大幅に調子を上げ、ボール支配率70%と主導権を奪い返し、同点弾を決めていい流れの中、前半を終了した。

両チームともに1人ずつ選手交代を行い、後半をスタート。まず同3分にリバプールはCKからマネがヘディングシュートを放つもGKオブラクに防がれ、Aマドリードはその1分後、カラスコがデ・パウルとの壁パスでGKアリソンとの1対1を迎えたがシュートを失敗した。

同7分、グリーズマンの高く上げた足がフィルミノの頭に入りレッドカードが出され退場となり、Aマドリードは数的不利の厳しい状況に追い込まれた。

その後は1人多いリバプールが主導権を握り、丁寧にパスを回してロバートソンやオクスレイドチェンバレンが立て続けにシュートを打った後、エルモソのジョタへのファウルでPKを獲得。これをサラーが同33分に決めて公式戦9試合連続得点を記録し、リバプールが再びリードを奪った。

1点を追うAマドリードは同35分に4枚替えを敢行してチームをリフレッシュし、その1分後、ヒメネスがペナルティーエリア内で倒されPKの笛が吹かれるも、VARのモニター確認後に取り消された。

南野は最後まで出番なく、欧州の強豪同士の戦いはリバプールが3-2で制し、1次リーグ首位の座をキープした。ホームのAマドリードにとっては不満の残る判定がいくつもあったため、試合終了後、スタンドから激しいブーイングが審判団に飛んでいた。