ウェストハムは9日、飼い猫を蹴ったり、たたいたりして虐待する映像が流出したフランス代表DFクル・ズマ(27)に対し、罰金を科した。

英メディアによると罰金は25万ポンド(約4010万円)で動物愛護団体に寄付される。また母国フランスの動物愛護団体が弁護士を通じて検察に苦情を申し立てており、最長4年の禁錮刑になる可能性もあるという。

スポーツメーカーのアディダスは同選手との契約を打ち切り、クラブの複数スポンサー企業も契約について一時凍結したりするなど、本人だけでなくクラブ全体にまで多くの影響が出ている。SNSには「ズマを解雇しろ」というファンの声が飛び交っている。

そんな中、同DFのチームメートが疑問を投げかけた。今季23試合でチーム最多8点を挙げているFWマイケル・アントニオ(31)は「彼がしたことを許すわけではないが」と前置きした上で「彼がしたことは人種差別よりひどいことなのか?」と疑問を呈したという。

アントニオは「彼のやったことに同意はできない。でも人種差別で起訴された後、またサッカーを続ける選手がいる。彼らは処分を受けるけど、8試合の出場停止とかその程度だ」「それなのに人々は今、『ズマを辞めさせろ』と叫んでいる。彼がやったことは、人種差別で起訴された人がしたことよりも悪いことなのか?」などと話している。

ただアントニオのいう人種差別で起訴された選手がだれを指しているのかは不明。11年に当時リバプールに所属していたルイス・スアレス(現アトレチコ・マドリード)が人種差別発言をしたとしてリーグから8試合の出場停止処分と罰金を科せられたが、起訴はされていない。また12年にはチェルシーでプレーしていたジョン・テリーが人種差別発言で裁判にかけられたが無罪となった。リーグからは4試合の出場停止処分と罰金を科せられた。