かつてバルセロナを率いて欧州チャンピオンズリーグ(CL)を2度制したマンチェスター・シティーのジョゼップ・グアルディオラ監督(52)は、母国スペインが人種差別撲滅のために適切な措置を取れるかどうかについて「楽観的にはなれない」と話した。ESPN電子版が報じた。

レアル・マドリードのブラジル代表FWビニシウス(22)が21日にアウェーで行われたバレンシア戦で人種差別を受けた。同FWを差別的に罵倒した3人が逮捕され、バレンシアは罰金と本拠地スタジアムの一部閉鎖を言い渡された。

この事件は、スペインにおける人種差別の問題についてより広い議論を呼び起こした。だがスペインリーグで選手、指揮官として過ごしてきたグアルディオラ監督は、事態がすぐに変わるとは考えられないと述べた。

同監督は「人種差別はある特定の場所だけでなく、あらゆる場所で問題になっている。どこの国でも、自分たちは隣人よりも優れている、他の国よりも優れていると考える人たちがいる」

「問題は、どこにでも人種差別が存在することだ。性別だけでなく、肌の色や態度についても差別が存在する。私たちは、自分たちの言語が他の言語よりも優れている、自分たちの国が他の国よりも優れていると信じている」などと話し、人種差別がスペインだけの問題ではないと主張。

その上で「強みとしての多様性を受け入れる必要がある。だが、まだ今はそこから遠いところにいる。これがスペインが良くなるための一歩になればいいが、私は楽観的にはなれない。この国のことを少し知っているだけにね」などと話した。

グアルディオラ監督は続けて「多くの黒人が、守らなくてもいいものを守るために、守るべきでないものを守るために前に足を踏み出している。司法が彼らの助けになればいいが、一方で『スペインで何かが変わるのだろうか?』とも思う」と話した。同監督の言葉は、スペインでの差別の深刻さを示唆していた。