20日に行われたFIFA女子ワールドカップ(W杯)オーストラリア・ニュージーランド大会決勝戦でイングランドを破って初優勝を果たしたスペインの選手が、表彰式でスペインサッカー連盟のルイス・ルビアレス会長(45)から唇にキスされるハプニングが起き、物議を醸している。

批判を受けた同会長は、翌21日にキスしたことは過ちだったと認め、謝罪する動画を公開。チームの優勝に影を落としてしまったことに「心を痛めている」と述べ、勝利はスペインのスポーツ史上最大の成功であると付け加えた。

試合後にスペインのレティシア王妃らと共に表彰台に上がった同会長は、金メダルを授与された代表選手を1人1人を抱きしめて勝利を分かち合った。その際にジェニファー・エルモソ選手(33)を抱きしめた後、突然、頭を両手でつかんで唇にキスをしたと欧米メディアは伝えている。表彰台の様子を撮影した動画を見た多くのファンが嫌悪感を示し、本人の同意なしにキスしたことに批判が殺到した。米CNNによると、他の選手に対しても頬にキスするなどしていたという。

エルモソ選手はその後、ロッカールームで撮影されたインスタグラムのライブ動画で、「いやだった」とこの一件について問われたと思われる質問に答えていたとCNNは伝えている。また、スペインのラジオ番組ではキスについて「その瞬間の感情によるもので、それ以上のものではない」とコメントし、「ただの逸話になるでしょう。これ以上大騒ぎになることはないと確信しています」と述べたという。一方で同監督はラジオ局の取材に、「馬鹿げている。私たちはチャンピオンだ」と話していた。

同会長は動画の中で、優勝で感情が高ぶる中で「何の悪意も不誠実さもなく、とても自然な形で起きてしまった」と説明。閉ざされたバブルの中では誰も重要視しなかったが、世間的にはそうではなかったと釈明し、自身の行為をみた人々が違った解釈をしたことは理解できると述べ、謝罪した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)