【サンセバスチャン(スペイン)5日(日本時間6日)=高橋智行通信員】日本代表MF久保建英(22)が所属するレアル・ソシエダード(スペイン)は、ホームでパリ・サンジェルマン(フランス)に1-2と屈し、2戦合計1-4で敗退した。久保はフル出場したが攻め手がなく、FWキリアン・エムバペの2ゴールの前に沈んだ。MF鎌田大地のラツィオ(イタリア)はアウェーでバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)に0-3と完敗。2戦合計1-3で8強進出を逃した。

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日本が誇るワンダーボーイはなすすべなく、悔しさにまみれた。唯一の見せ場は前半ロスタイム1分、右サイドから放ったミドルシュートだけ。強い弾道のボールはゴール左に切れた。第1戦を0-2で、逆転8強へ得点しかない。ホームでやるべき仕事は明確だった。だが守備に追われる時間が長くなり、相手にスライディングタックルを見舞いイエローカードももらった。気持ちが空回りした。

欧州CLは1次リーグから全8試合(563分)に出場したが0得点0アシスト。攻撃の起点役として記憶に残る好プレーはあまたある。しかし記録に残る結果は「ゼロ」に終わった。

2月にクラブとの契約を29年6月まで延長。会見で欧州カップ戦で得点できていないことについて「いら立ちはないが、人々の記憶に残る重要な試合で得点したいというのが本音だ」と語った。ゴールへの思いは誰よりも強かった。

くしくも壁となったのが世界最高のアタッカー、エムバペ。その決定力をまざまざと見せつけられた。この2試合でチーム4点中3点を決めている。エースとは、チームを勝たせる男とは-。初めての欧州最高峰の舞台は喜びよりも苦い思いが上回った。この経験を今後への糧としたい。