【ダラス(米国)25日(日本時間26日)】39歳のDF長友佑都(東京)が、アジア初の5大会連続出場を果たした。スウェーデン戦の後半30分から、W杯初の途中出場。引退危機から返り咲き、日本史上最多出場試合数を「16」に伸ばした。初出場の10年南アフリカ大会から、3度敗退を経験した決勝トーナメント(T)1回戦でブラジルと対戦。「ブラボー」に続く、イタリア語の名言「マンマミーア」も飛び出し、何かを起こしそうな予感を漂わせた。
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なんてこった-。39歳が5度目のW杯のピッチに立った。白のヘアバンドを身につけた長友は「W杯、マンマミーア。マンマミーア。4年間このために準備してきた。マンマミーア」。驚きの言葉を繰り返した。
1-1の後半30分。日本史上最多のW杯16試合目。初めて、ピッチ脇に立った。過去4大会での15戦は全て先発。今回は役目が違った。森保監督に呼ばれ「ついに来たか」。肩を組まれ、指示を受けた。「チームにエネルギーを与えてくれ」。勢いよく駆け出した。左ウィングバックで上下。1得点のFWエランガを完全に消した。チームを落ち着かせ、任務を完遂した。
26人枠の1つを、ベテランが埋めた。なぜいるんだ。否定的な声もあった。仲間から信頼されないかもしれない。しかし監督、選手の心をガッチリつかんだ。出番なしの2戦で、理由を示した。選手ミーティングを提案し、過去の経験を伝授。試合中は審判に注意を受けるほどベンチの最前線に立ち、声を張り上げた。
第3戦。ようやく白線を越えた。「魂の叫びくらい、後輩たちが後押ししてくれた。エグいくらいのサポーターがいた」。過去2戦の声援が、やまびこのようにベンチから返ってきた。スタンドの“アモーレ”平愛梨からも応援を受けた。「この興奮はW杯でしか味わえない。4年間は無駄じゃなかった。みんなに感謝したい」とかみしめた。
「ブラボー」と叫んだ22年カタール大会後、代表から離れた。引退も頭をよぎった。24年3月に復帰。再び日の丸を背負った。そして5度目の大舞台。「辞めなくてよかった。なぜそんなことを考えるんだ、ふざけんなと言いたい」と数年前の自分に笑った。同年代のメッシらも活躍している。「まだまだこんなもんで終わるな。満足するなよ」と自らにゲキを飛ばした。
決勝Tの厳しさは、よく知っている。初出場の10年に始まり、18年、22年。3度、1回戦で涙をのんだ。今回からは「ベスト32」の壁が待ち受ける。相手は王国ブラジル。昨年10月に国際親善試合で勝利したが「正直、全然違う。勢いだけじゃダメ。戦略を持って冷静に戦うべき」と、また仲間に思いを伝える。「優勝を目指している。どこが相手だろうと勝つだけなので」。39歳が、日本が、世界を驚かせる。【飯岡大暉】
長友のW杯記録メモ
▼アジア初 10年大会から5大会連続出場。連続に限らず、W杯に5大会以上出場は史上9人目だが、アジアサッカー連盟(AFC)加盟国の選手では初。
▼アジア最多タイ 日本最多18試合目の出場。AFC選手では韓国代表DF洪明甫と並び最多タイ記録。
▼アジア最年長 39歳286日での出場は自身の日本人最年長出場記録を更新。AFC選手でも最年長記録となった。FIFAによると、従来の記録は18年大会のオーストラリア代表FWケーヒルで38歳202日。


