ソチ五輪開幕まで７日に迫りました。日刊スポーツも日本から５人の取材陣がソチに入り、開幕直前の選手たちを追います。ソチで記者が思ったこと、感じたことを「ソチの風」と題して、５人の記者が日替わりで書いていきます。

　ブロンズ髪美女とともに、ソチの日々が始まった。成田をたち、モスクワを乗り継いでソチに着いたのは深夜０時。もうろうとした状態で到着口に向かうと、ロシアの女性が自分の名前を掲げてほほ笑んでいた。隣には後輩の女性記者の名前を掲げて待つロシア人女性もいたため、よこしまな考えはすぐに消えたが「お出迎え」は最高のサプライズだった。

　自分を迎えてくれたビクトリアさんは、英語とフランス語を専攻する地元の大学生。世界的なイベントにかかわるため、閉幕までは定期的にボランティアとして活動するという。この日は深夜にもかかわらず、空港からホテルまで付き添ってくれた。最大限の心遣いに感激し、長旅の疲れはいやされた。

　黒海沿岸のリゾート地に、良い印象はなかった。昨年３月、スピードスケートの世界距離別選手権の取材で滞在。ＩＤカードの作成で、寒空の下、３時間以上も待ちぼうけを食らった。なぜか会場入り口で警察官に連行され、厳しいチェックを受けた。散々な思い出とテロの危険と不安高まる出発も、いい意味で初日から予想を裏切られた。東京五輪招致で話題になった「おもてなし」の大切さを、ソチで再認識している。【田口潤】