五輪は、夏も冬も関係なくつながる。そう感じるソチの日々だった。

　フィギュアスケート会場には多くの日本人記者がつめかける予想がされていたらしく、日本語を話せるボランティアのロシア人通訳が４人もいた。学生から主婦の方まで。ロシア選手はもとより、そのコーチなどの声を聞きたいときに助けてもらうこと多々だった。

　そのみなが口をそろえたのは「今度は東京に行きたい」「６年後の五輪で、またボランティアとして働きたい」「ソチでの経験を生かせると思う」。モスクワの言語大学で学び日本の留学経験もあるトーニャさんは「去年決まったときは本当にうれしかった」。９０００キロ以上離れたハバロフスクからやってきたユリアさんは、旦那さんが日本人。「１２歳の子供と一緒に東京にいけたらいいな」と期待を大きくする。

　昨年９月、アルゼンチンで東京開催が決まったとき、国内の熱狂にはフォーカスした。ソチにきて思うのは、五輪は日本だけの広がりではないということ。きっと世界中のあちこちで、東京での五輪開催に胸躍らせる人がいる。五輪で作られた熱狂もその１つ。きっとまた次の、そのまた次の五輪までつながっていく。【阿部健吾】