ジャカルタ・アジア大会男子400メートルリレー決勝で、山県亮太、多田修平、桐生祥秀、ケンブリッジ飛鳥の日本は38秒16で金メダルを獲得した。

第1走者の山県からリードを奪うと、第3走者の桐生で引き離し、アンカーのケンブリッジは独走態勢でそのままゴールした。

全区間でバトンがつまりぎみで、目標としていた37秒台は逃したが、2位以下に大きな差をつけた。アジアで敵なしの力を、しっかりと見せつけた。

山県 優勝目指して頑張ってきた。うれしいです。

多田 信頼できる先輩たち、安心して走れた。

桐生 このリレーに優勝するためだけに懸けてきた。

ケンブリッジ 良い位置で持ってきてくれたので、少しでも良いタイムでゴールしようと走った。

98年バンコク大会(大槻、窪田、土江、伊東)以来20年ぶりにアジアの頂点に輝いた。自己記録9秒91で今大会の男子100メートルも制した蘇炳添を要するアジアのライバル中国を下した。

バトンワークはほぼ完成の域に入る中で、個の強化に重点を置く。アジア記録となる37秒60を出した16年リオ五輪時と、今大会をともに走る3人も、当時から自己記録を伸ばしている。

山県 10秒05→10秒00

桐生 10秒01→9秒98

ケンブリッジ 10秒10→10秒08

リオ五輪では銀、17年世界選手権では銅メダルを獲得。世界のリレー強豪国の仲間入りを果たす中で、遠ざかっていたアジアのタイトルも得た。20東京オリンピックでは金メダルを目指し「37秒50」を切りを掲げる。今大会では初めて第2走者に多田を起用した。残り2年。山県は「次(2年後の東京オリンピック)は世界の頂点です」と前を見た。

短距離部門を担当する土江コーチは「これまで五輪、世界選手権では38秒20をきると決勝に残るという想定だった。そこは普通にクリアできて、今は37秒台中盤を現実的に狙っていくことができるか。個人の走力を上げて、9秒台を切ってくる選手が増えてくることが必要にある」と話した。

世界の金メダルへ、0秒1を刻み出すための模索が続く。