日本陸連は17日、都内で理事会を開き、リオデジャネイロ五輪の男女マラソン代表6人を決定した。

 念願の世界大会初代表を五輪切符で射とめた田中智美(28=第一生命)は都内で会見を開き、「出るからには本気でメダルを狙いたい。一番きれいな金色のメダルがいいですね」と堂々と宣言。一方であらためて選考方法にも触れた。

 代表決定を聞いての感想は「ホッとしました」。喜びよりも安堵(あんど)が先に立ったのは1年前の悪夢があるから。14年横浜国際で優勝しながら、タイムやレース内容をマイナス材料とされ、15年世界選手権代表から漏れた。勝っても選ばれない事態は、高橋尚子さんも疑問視するなど物議を醸した経緯がある。

 この日、田中はあらためて「当事者」として言及した。リオ五輪では前年の世界選手権入賞者を内定として伊藤が対象となったが、「伊藤舞さんがどうとかではなくて、(入賞では)日本人同士の争いになってしまう。世界に向かないといけないのに、入賞を目指してしまうのではないかなと感じる時があります」と意を決したような表情で私見を述べた。

 指導する山下監督は「いま思っても1年前のことは納得できない。納得できる説明の仕方を、少なくとも当事者にはできるように気を付けてほしい」と注文。代表3枠に対して選考対象が4レースだった今回の選考方法については、「一発がいいかははっきり言えないところもありますが、少なくとも分母と分子くらいは合わせるか、分母を少なくするかはできるのでは」と提言した。【阿部健吾】