陸上のリオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた日本選手権混成競技第1日は11日、長野市営陸上競技場で行われ、男子10種競技は、昨年の世界選手権代表の中村明彦(スズキ浜松AC)が、前半5種目の日本人歴代最高となる4278点でトップに立った。日本記録保持者、右代啓祐(スズキ浜松AC)は1種目目の100メートルを12秒21で終えた後に途中棄権。記者会見では「大事な試合なので悔しい。最後までやりたかった」と無念さをにじませた。

 6連覇中だった右代は4日の棒高跳びの練習でポールが折れて左手親指の付け根を骨折し、左膝にも6針縫うけがを負った。7日には左手にボルトを3本埋めて固定して臨んだが、1種目目終了時点で医師の助言に従い、大事を取って棄権した。

 右代は選考会を兼ねた日本選抜和歌山大会で参加標準記録を突破する8160点で制しており、選考基準では、日本選手権に出場すれば代表入りが有力だった。日本陸連は途中棄権でも出場したとみなすかを今後、詰める。昨年の世界選手権の選考では1種目でも終了すれば出場とみなす見解で統一していたという。