男子200メートル予選でサニブラウン・ハキーム(18=東京陸協)がまた記録的快挙を成し遂げた。100メートルに続いて、200メートルでも予選を20秒52(追い風0・5メートル)の1組2着で突破。五輪と世界選手権を通じ、100メートル、200メートルともに準決勝に進むのは、日本男子では00年シドニー五輪の伊東浩司以来、17年ぶり2人目、世界選手権では初となった。

 またもスタートを失敗した。100メートル準決勝では4歩目でバランスを崩したサニブラウンは、号砲への反応速度が7人中断然最下位の0秒221。同レース最速のウクライナ選手より0秒088も遅れた。カーブを曲がり、直線に入ると、1着だったブレーク(ジャマイカ)に前へ大きく先行された。後方からも足音が近づいてくる。「ヤバい」。最後は必死で腕を振り、足を前に動かした。

 膝に手を付き、肩で息をしながら、電光掲示板に表示された20秒52のタイムを見て、やや不満げな表情を浮かべる。しかし、2着で同種目史上最年少出場した前回大会に続く2大会連続の準決勝へ進んだ。レース後、右ハムストリングに少し張りも出たが「気持ちをリセットし、しっかりいけるように」と意気込んだ。

 実は価値ある偉業が付いている。過去に日本人男子で五輪と世界選手権を通じ、100メートルと200メートル両方で準決勝に進んだのは10秒00の100メートル日本記録を持つ伊東が00年シドニー五輪で達成して以来、17年ぶり2人目。世界選手権に限れば初めてだった。