指導するレイダー氏は「一番の基礎から直した」と言う。今冬の南アフリカ合宿。クールダウンの一環で、でこぼこの砂場の上をはだしで歩いた。「(足で)砂をつかむ。地面をしっかり捉える練習過程かな」とサニブラウン。また「完全オフだと体が固まる」と休日も、プールでフォーム確認に努めた。「水中だと負荷もかかる。最後の方は遊び半分で反対側まで誰が一番速くいけるかとかやってます」と笑う。遊び感覚で地道な基礎練習をできたのが、性分にあっていた。東京・城西高時代は接地後、足が後ろに流れ、無駄な動きだった悪癖は消えて、前に大きく足が出るフォームに変化。急成長した。

 ブレークと100メートルから合わせ4レース連続の対戦となる準決勝を突破すれば、03年末続以来、日本人では2人目の決勝進出、そしてボルトの18歳355日を198日更新し、世界最年少ファイナリストとなる。【上田悠太】