男子１００メートルの桐生祥秀（２１＝東洋大４年）が日本人初の９秒台を記録した。

　決勝で追い風１・８メートルの中、９秒９８をマークし優勝。伊東浩司が９８年に記録した１０秒００の日本記録を１９年ぶりに更新した。

　桐生は笑みを浮かべ、快挙の喜びをかみしめるように話した。

　－率直な思いは

　桐生　うれしい気持ちでいっぱい。実感はない。

　－ゴールした瞬間は

　桐生　優勝できて良かったと思ってタイムを見た。（速報が）９秒９９で（確定は）１０秒００かどっちかなと。

　－左脚に不安があった中で快走した

　桐生　怖いとか（不安）を捨て、自分の脚を信じた。肉離れしたらしょうがないと。今大会初めてスタートを思い切り出られた。

　－日本人で最初に出せた

　桐生　一番は記憶にも記録にも残る。高３で１０秒０１を出してから、話さなくても一番に俺が出したいと。誰でも一番はいい、と思った時点で勝負は負けていたと思う。

　－これから目指すところは

　桐生　９秒台は通過点。世界のファイナリスト（決勝進出）を目指すには持ちタイム９秒台は普通になる。大きい大会で勝ち、記録を残したい。９秒台をコンスタントに出したい気持ちが今は大きい。世界のスタートラインに立てただけで、陸上生活が終わるわけではない。

　－土江コーチについて

　桐生　（いい）タイムが出てからは僕を怒ってくれる人があまりいなかった。駄目な時に怒ってくれる人が近くにいたのでやってこられた。