山県が、勝つための秘訣(ひけつ)を小学生に伝授した。リオデジャネイロ五輪陸上男子400メートルリレー銀メダリストの山県亮太(25=セイコーホールディングス)らが30日、横浜市立いぶき野小学校で「超人シェフ×超人アスリート夢のスーパー給食」のイベントに参加し、小学生たちに走ることの楽しさと食の大切さを伝えた。

 短距離走のスタートを得意とする山県は「低い姿勢で出ることが大事」と話し、スタートラインから約1・5メートル先に線を引き「この線を見ながらダッシュするといい」とアドバイスした。「100メートルの中にもペース配分があって、最初の30メートルは9割の力。60メートルまでは全力で駆け抜ける」との戦略も語り、小学生からは驚きの声も上がった。小学生5人と、50メートル走での対決もした。10メートルのハンディをものともせずに駆け抜け、見学していた児童や保護者、教員たちをうならせた。

 走った後は、銀座「みちば和食 たて野」で料理長を務める舘野雄二シェフが腕をふるった給食を、5年生の児童とともに食べた。児童から小学生の頃はモテましたかと尋ねられると「足が速かったからモテたよ」と照れくさそうに答えた。小学生時代は、給食の揚げパンが好物だったという。

 食事に関しては「僕の勝負メシはかつ丼。ゲン担ぎじゃないですけど、タンパク質も油も炭水化物も取れる。白米はエネルギーになる」と笑顔だった。かつ丼は試合前の夕食に欠かさずに食べているという。イベントを振り返り「給食もおいしくて、懐かしかった。大人になって失われがちな素直さを、子どもたちから学んだ」と笑顔だった。子供たちに向けて、「夢をかなえるためには、周りができないと言っていることをやり続けて、できるという自信を付ける。そうすれば、できないことはない」とのメッセージを送った。