女子100メートル、200メートル日本記録保持者の福島千里(29)がセイコーホールディングスへの入社が決まり、11日、都内で会見を行った。

 福島は「入社させていただき、感謝の気持ちでいっぱいです。ともに競技ができることを心強く思う。セイコーのゴールタイマーで日本記録を更新することを目標に頑張っていきたい」と抱負を語った。100メートルの自己ベスト10秒00を持つ山県亮太(25)も所属している。昨夏に山県と合同練習し、同社のサポート体制の素晴らしさを知ったという。今後は山県や仲田トレーナーとチームを組んで、練習をともにしていく。「山県選手は走り方も美しく、贅沢な見本になる。男子は世界との距離を縮めている中で、女子はまだまだ。世界と戦うため、ノウハウを勉強させてもらいたい」と話した。

 昨年1月にプロ転向を表明し、昨季は札幌陸協として活動していた。五輪3度、世界選手権4度出場の女子第一人者も、日本選手権では100メートル、200メートルとも連覇が途絶えるなど苦しいシーズンを過ごした。新たな環境で復活を目指す。

 同社の服部真二CEOは「アジアのトップスプリンターが入社してくれて、うれしく思います。山県選手と切磋琢磨(せっさたくま)して、世界中の陸上ファンの心を動かしてほしい」と期待した。