山県亮太(25=セイコーホールディングス)が2年ぶり3度目の優勝を果たした。決勝は追い風1・3メートルの10秒17。

<伊東浩司語る>

 日本の男子短距離が高レベルになったと感じる大会だった。数年前まで「織田記念はタイムが出る」とみんなが記録でアピールする場だった。今年は桐生(祥秀)くんも、飯塚(翔太)くんも、多田(修平)くんも出ていない。ライバルに勝たなければ日の丸をつけられない状況となり、それぞれが6月以降にピークを定めて計画を立て始めた。

 山県くんはオフの体作りで一回り大きくなった。スピード強化で必要な筋肉だけを残せば、1カ月後には10秒00を出した昨秋のような状態に戻る。ケンブリッジくんも米国で、現地のコーチと走りを変えていっている。スタートに悩んでいるようだが、磨いていけば「何も考えなくてもできる状態」に行き着く。2人とも「今の自分」をしっかり把握していることが重要なので、何も心配していない。6月の日本選手権は記録より勝負。それぞれの仕上げ方が楽しみだ。(男子100メートル前日本記録保持者)