16年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダリスト、ケンブリッジ飛鳥(25=ナイキ)が10秒14(追い風0・6メートル)で、優勝した山県に0秒09及ばず、2年ぶり2度目の優勝はならなかった。

 長所である中盤以降が伸びきらなかったことを敗因とし「今シーズンで一番いい走りだったけれど、最後、優勝できず悔しい。いやあ…悔しいですね」と振り返った。

 ジャマイカ人の父と日本人の母を持つケンブリッジは、後半のスピードと大きいストライドが武器。14年に織田記念国際を優勝し、注目を浴びた。その後はけがに苦しんだが、16年には日本選手権の男子100メートルを初制覇した。昨夏のリオ五輪男子400メートルリレーではアンカーとして銀メダルに貢献。個人としても100メートル準決勝に進出した。

 さらなる飛躍を目指し、16年12月には所属していた企業を退社し、プロに転向。20年東京五輪での個人種目での決勝進出を目標に掲げていた。

 昨夏の世界選手権男子400メートルリレーではアンカーとして予選に出場も、体調不良やけがの影響もあり決勝は外された。チームは銅メダルを獲得したが、個人としては屈辱を味わった。オフには米アリゾナ州の有力選手が集うチーム「ALTIS」の練習に参加。苦手なスタートを改良するなど進化の道を探っていたが、今大会で桐生に続く9秒台、2年ぶりの優勝はならなかった。

 それでもこの日の結果でアジア大会(8月、ジャカルタ)代表は確実。今季一番の大舞台で、雪辱を果たす。