厳しさを歓迎し、強くなっていく。大阪国際女子マラソンで2時間25分46秒の日本人トップ、全体2位だった小原怜(28=天満屋)がレースから一夜明けた28日、取材に応じた。

レースでも練習でも武富監督から褒められた印象はほとんどない。前日の会見でも「心の弱さが出た。つぶれてもいいからぐらいの気持ちでレースしてほしかったが」などと、30キロからのスパートで海外勢を突き放せなかったことを厳しく指摘された。

小原は「本当に厳しいと思います」と苦笑いしながら「強くなって欲しいからこその言葉だと思っていますし、求められていることが高い。自分を信じてくれているということ。そういう信頼関係があるから、そこを目指していこうと思う。厳しさは高い目標を目指す上で、とても大切なこと」と話した。

たしかに自身も武富監督の指摘通り「行ききれなかった」と反省。故障しない体作りとともに今後の成長の糧とする。

褒められてなくても、救われた言葉はある。1月初旬、左肋骨(ろっこつ)の炎症で練習を積めていなかった。「自分は弱い人間なんです」と弱音を吐いた。その時に「弱くない人間なんていない」と告げられた。「乗り越えていかないといけない」と気持ちは前向きになった。

天満屋は92年の創部以来、山口衛里、坂本直子、重友梨佐ら五輪、世界選手権へ多くの選手を輩出した名門。すでに20年東京オリンピック(五輪)の代表選考会「マラソン・グランドチャンピオンシップ」(9月15日)にも小原と前田穂南(23)の2人が切符を獲得している。

小原は「MGCの先の東京で勝負する。ここで気を緩めたらまた戻すのに時間かかる。このままのリズムで9月までは行きたい」と表情を引き締めた。