テスト中の新兵器で、世界選手権(ドーハ)に挑む。陸上男子100メートルの前日本記録保持者の桐生祥秀(23=日本生命)が3日、成田空港着の航空機で欧州遠征から帰国。

出場が確実な世界選手権の100メートルも、底にピンがない新スパイクで挑む意向を示した。今回の欧州遠征で出場した2大会、3レースは、すべてピンなしスパイクで駆け抜けた桐生は「いい感じで試合でも普通に行けた。(世界選手権も)そのまま行こうかなと思います」。数本配置された金属製のピンで地面を捉えることで推進力を得る従来のスパイクの概念を一気に覆すもの。最終結論はドーハのスタジアムで実際に履いてからとなるが、夏から練習でも使用する新兵器を、世界の舞台でも装備することになりそうだ。

ただ、400メートルリレーにおいて第1走者、第3走者で起用された場合は、曲がったコースを走ることになる。そうなれば、滑らないよう左右6本ずつのピンがある従来のスパイクで挑むつもりだ。

欧州遠征は2大会、3レースを走り、それぞれ10秒04、10秒08、10秒11。高水準の安定度を示した。残り1カ月を切った世界選手権へ向けて「手応えはあります」と充実した表情。坂ダッシュなどで、体のキレを増していき、目標とする決勝進出を目指す。