オリンピックの出場権は最後の直線で遠のいていった。男子1600メートルリレーで日本は3分2秒05の予選1組5着。決勝進出を逃し、目指していた今大会での五輪出場権の獲得はならなかった。

アンカーの若林康太(21=駿河台大)は必死で腕を振り、前へ脚を回した。残り約80メートル。混戦状態の中、最後の直線に3番手で入った。しかし、ここからが世界の壁だった。イタリア、コロンビア、ボツワナ(失格)に一気に外からまくられた。16年ぶりの決勝進出はならなかった。若林は「1周が長かった。いい位置でもらったが、差されてしまった」とうなだれた。

日本は前半から逃げ切る作戦をとった。第1走者は400メートルで唯一の代表であるウォルシュ・ジュリアン。「今持っている力は出せた」と予選、準決勝と、ともに日本歴代3位となる自己記録を出した好調ぶりを示し、飯塚翔太(28=ミズノ)へバトンを渡した。それを受けた飯塚も前半から飛ばして、専門外の種目で激走。アジアのレベルと違い、中盤で「休むところがない」と世界のレベルに驚きながらも、意地を見せた。2位争いの位置で第3走者の佐藤拳太郎(24=富士通)へとバトンを渡した。

飯塚は「自分がしっかり決勝まで進めたかった」と話した上で「みんな力は出し切ったと思う」と前を向いた。