陸上男子100メートル前日本記録保持者の桐生祥秀(23=日本生命)が電撃結婚を発表した。自身のユーチューブで明かした。1月1日に婚姻届を提出した。お相手は「アスリートフードマイスター」の資格を持つ年上の一般女性。最高の人生のパートナーを得て、男子100メートル決勝進出、男子400メートルリレー金メダルを目標に掲げる20年東京オリンピック(五輪)へと向かっていく。

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東京五輪のスター候補の桐生が電撃結婚した。お相手は、大手企業に勤務する年上の一般女性。関係者によると、2年以上の極秘交際を続け、昨秋には婚約をしていたという。今までうわさになることもなかったが、東京五輪イヤー20年元日に婚姻届を提出。すでに親しい関係者や友人には報告を済ませている。

桐生にとって「アスリートフードマイスター」の資格を持つ愛妻の存在は大きい。18年春の東洋大卒業前に、寮を出て、1人暮らしを始めた。だが、自炊が苦手ということもあり、食生活に課題を抱えていた。昨年2月には毎日、朝食をきちんと取るようになったものの「生まれて23年で初めて朝ご飯の大切さが分かった」と話すほど無頓着。結婚はアスリートにとって大事な栄養管理面でプラスに働く。

9秒余りで勝負が決する100メートル。極限のプレッシャーと闘うが、精神的にも結婚効果はありそうだ。愛妻はあまり陸上に詳しくないが、逆にそのことが心にゆとりを与えてくれる。交際中も、彼女の存在に癒やされてきた。さまざまな要因が重なり、元日婚に至ったようだ。

自身のユーチューブではお相手の似顔絵を公開し、「これからも幸せに暮らしていきたい。家族ができますし、収入面でも養っていかないといけない。頑張っていきたい」。東京五輪以降には子どもを持ちたい意向を明かした。

日本スプリント界をけん引してきた桐生は成人式で、結婚したい時期について「23か24歳」と話していた。その宣言通りのゴールイン。16年リオデジャネイロ五輪男子400メートルリレー銀メダルのメンバーの中では、初めて結婚した選手になった。

17年9月には日本人で初めて100メートルで「10秒の壁」を突破する9秒98をマークした。東京五輪で目指すのは日本勢88年ぶりのファイナルの舞台。男子400メートルリレーでは日本勢悲願の金メダルを狙う。目標達成へ、2020年からは愛妻と二人三脚で進んでいく。