ホクレン女子陸上競技部の新体制発表会見が3月31日、札幌市内で行われた。今春に東農大を卒業した保坂野恋花(のこか=22)が新加入した。24日に来道したばかりで「寒いけど、朝練習のときは冷たい空気が体を起こしてくれる」と、すっかり北海道の気候も気に入った。

復活へ、ルーキーが先頭を切る。ホクレン創立100周年だった昨季は全日本実業団対抗女子駅伝の連続出場が15で途切れた。就任3季目の長渡憲司監督(42)が「責任を感じている。駅伝も復活して、上昇気流に乗せなければいけない」と強い覚悟をにじませるなか、保坂は「1500メートル、5000メートルでは日本のトップを目指す。(全日本実業団対抗駅伝は上位8チームに与えられる)シード権獲得を目指したい」と力強く宣言した。

大学では全日本大学女子選抜駅伝で4年連続1区を務め、2年次の17年には区間4位の力走でチームを総合2位に導いた。長渡監督が最大の特長に挙げる「力強い走り」を武器に、実業団でも周囲に惑わされずに自らのペースを貫く冷静な走りを目指していく。

新型コロナウイルスの影響で道内の屋内施設が使えず、チームは昨年11月から道外で長期合宿中で、出場予定の大会も見通しが立っていない。保坂にとっては大学4年で痛めた右足腓骨(ひこつ)の回復を図っている期間。「いつか日の丸をつけて走りたい」と夢を描く22歳は「この期間に徐々に調子を上げていきたい」とシーズンを見据えた。【浅水友輝】

○…演劇ユニット「TEAM NACS」のリーダーでタレントの森崎博之(48)が「農の未来」をPRするホクレンアンバサダーに就任した。女子陸上部の新体制発表に先立って行われた就任会見では「北海道農業の魅力を道内外にお伝えすることができると期待に震えている」と大役に身を引き締めた。

俳優業などと並行して08年からは農業をテーマにした地元テレビ番組に出演。ホクレンの広報紙でも今年3月まで「熱血あぐり魂」のタイトルで10年以上コラムを担当した。農業振興の旗振り役を期待され、今後はCMや各種イベントへの出演を予定している。森崎は「北海道の子どもたちが農家や酪農家になるという夢を臆せずに言ってもらえるような未来を作りたい」と意気込んだ。