「跳躍界」に超新星が現れた。男子走り幅跳びで東海大静岡翔洋の深沢瑞樹(1年)が7メートル67で初優勝。高1の日本歴代最高記録を20年ぶりに更新する快挙を成し遂げた。

歴史をつくる大ジャンプだった。上位8人に絞られて迎えた5回目。深沢は伸びのある助走から迷いなく跳んだ。「踏み切りがよかったです」。着地点は目標の7メートル50を超える7メートル67。自己記録を44センチ更新した驚異的なジャンプは偉大な記録も塗り替えた。高1の日本歴代トップ記録を12センチ更新。20年ぶりの快挙に「びっくりしました」と目を丸くした。

陸上歴はわずか3年足らず。始めた理由も「選べる部活が3つしかなかったからです」と苦笑いする。出身の山梨県早川町立早川中は、全校生徒20人。部活動は陸上とソフトテニス、吹奏楽だけだった。中1で臨んだ初めての記録会では「高く跳べることに魅力を感じました」。持ち前のバネを武器にめきめきと実力をつけると、3年時の全中では3位。この日準優勝した1学年先輩の北川凱(がい、東海大静岡翔洋2年)にあこがれて、同校への進学を決めた。

入学を機に山梨から家族で移住。休校明けの練習では助走を重点的に強化してきたという。今後の目標は「(日本高校記録の)8メートル12を超えることです」とキッパリ。スーパールーキーは、さらなる飛躍を目指している。【神谷亮磨】