東京オリンピック(五輪)代表選考会を兼ねた陸上の日本選手権長距離種目は4日、大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる。

女子5000メートルは若きホープ2人の対決に注目が集まる。田中希実(21=豊田自動織機TC)と広中璃梨佳(20=日本郵政グループ)。互いについて、田中は「(広中が)出せたタイムを、自分も追い付くだけじゃなく超えていきたい。そういう関係をずっと続けていき、強さをお互い維持していきたい」と話せば、広中も「希実先輩は尊敬する先輩であり、いいライバル。自分でも(田中のような)タイムを出せるのではと思わせてくれる」。ともに意識し合い、認め合う存在だ。

昨秋の世界選手権(ドーハ)は決勝に進出し、15分0秒01で走った田中は、夏から好記録を大連発してきた。7月には3000メートルで8分41秒35、8月には1500メートルで4分5秒27の、ともに日本新。幅広い距離に出場し、世界の揺さぶりや、スピードに対応できる力を培ってきた。5000メートルは秋以降、少しタイムを落としているが、日本選手権へ向けては仕上げてきた。田中は「気負わずに、いつも通りの自分で臨みたい」と話す。

広中は9月に日本歴代3位の14分59秒37をマーク。見事に「15分の壁」を突破した。さらに11月の全日本実業団対抗女子駅伝は1区でスタートから飛び出し、後続に30秒以上の差をつける段違いの走り。日本選手権へ向け、「自分に勝つレースをできたらいい」と意気込む。

2人とも参加標準記録(15分10秒0)は突破済みで、優勝すれば五輪代表に決まる。トラック、フィールド種目で五輪代表内定1号となる可能性が高い。