スーパールーキーが区間賞の走りを約束した。第97回東京箱根間往復大学駅伝(来年1月2、3日)に向けて中大が17日、都内の多摩キャンパスで会見を開いた。今年創部100周年。最多14度の優勝を誇りながらこの8大会シード権を逃している名門復活の切り札が、1年生の吉居大和(仙台育英)だ。

「区間賞を目指したい。勝ちにこだわって、どんな区間でも最後に勝ちきれるようにしたい。できれば前半の方で他大学の強い選手と戦いたいです」

入学から1年を待たずして学生界トップレベルのランナーの地位を確立した。7月のホクレン千歳、今月4日の日本選手権で5000メートルのU20日本記録を2度更新。10月の予選会では初のハーフマラソンで1時間1分47秒のU20日本歴代2位タイのタイムを刻んで、チームの2位通過の原動力になった。高校時代に比べて練習は質・量ともに上がったが、コロナ禍で思うように走れなかった時期も体幹を意識した強化トレーニングで安定感を増してきた。

「先輩たちには練習、生活面で引っ張ってもらった。4年生が最後の箱根を悔しい思いで終わってほしくないです」

就任5年目の藤原正和監督(39)も、自らがリクルートした選手たちが最終学年を迎え、戦力に自信を持つ。目標をシード復帰はもちろん、総合3位以内に定めている。「オーダーはこれからの練習を見て決めたい。私自身、まだ固まっていませんが、4区終了時点で3~5位にいられるようにしたい。できるだけ速い展開で進めていきたい」。前回の経験者が9人。実力者を積極的に往路に投入し、戦国駅伝で下克上を狙う。その中核を担うのが吉居になる。