世羅(広島)が5年ぶり2度目の男女アベック優勝を成し遂げた。男子ではアンカーの塩出翔太(2年)が、OBで青学大の原晋監督の助言を胸に、昨年王者の仙台育英に競り勝った。女子は5区でケニア出身のテレシア・ムッソーニ(3年)が7人抜きを見せ王座を奪った。優勝は男子が歴代最多の10回目。女子が2度目となった。

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ゴールテープを切った瞬間、アンカーの塩出は両腕を左右に広げた。第6中継所、2位に31秒のリードでたすきをもらった。2・5キロで19秒、3キロ過ぎには14秒と徐々につめられたが、自分のペースを守り、勝利をものにした。「楽しんで走ろうと思っていた」と都大路を駆け抜けた。

今年1月の都道府県対抗駅伝に参戦。3位となった際、報告会でOBの青学大・原晋監督から「強い世羅であれ」と熱い言葉をもらった。「強い」とは自分を甘やかすことがなく、隙がない選手のことで塩出は「コロナで練習が1人になっても、『自分は試されている』と思って乗り越えることができた」と語った。

12月20日は5年前に同校が2時間1分18秒の大会記録を打ち立てた日。新宅昭二監督(49)は来年に向け「そのタイムを目標にしないと次は勝たせてもらえない」と新記録樹立を狙う。