東洋大が2位で往路を終え、7年ぶりの総合優勝も視界にとらえた。酒井俊幸監督は「とても頑張った。ただ、後ろも混戦。気を抜かずに復路に備えたい。特に2区の松山は頑張ってくれた」とたたえた。

昨年は11年連続で続けていた総合3位以内が途切れる10位。同監督は「だからこそ思い切って、東洋大学をつくりなおしていきたいと思い、この1年間チームをつくってきた。新しい戦力も力をつけている。若い力を信じて、箱根駅伝に挑みたい」と逆襲をもくろんでいた。

思惑通り、1区から3区までは下級生が流れを作る。エースがそろう2区では1年の松山和希が1時間7分15秒を記録し、9位から5位へと順位を上げた。日本人1年生として、昨年大会岸本大紀(青学大)が記録した1時間7分3秒に次ぐ、堂々の箱根路デビュー。「いままで10年以上、この大会のために練習を積んできて、楽しみなレースであって、楽しんで2区を走ることができました」と丁寧な口調で振り返った。

5区では「山の神」候補の宮下隼人(3年)が苦しみながらも粘りの力走。首位と2分10秒差の5位でタスキを受け取ると、3キロ過ぎには早大を抜いて3位に。6キロ過ぎには2位の駒大と並走し、14キロ手前で引き離した。トップの創価大までは届かなかったが、復路へ希望をつないだ。

トップの創価大とは2分14秒差。同監督は「1つのミスが大きく変わって影響してくるなと。往路でも感じた。まだチャンスはある」と逆転での総合優勝に向かう。