駿河台大が8位で本戦初出場を決めた。法大時代に「爆走王」などとして注目された徳本一善監督(42)は就任10年目。喫煙やパチンコ店通いも当たり前だったチームの意識改革を、時間をかけて地道に行った。

駿河台大には、31歳の異色選手、今井隆生(4年)という精神的支柱もいた。チーム内で10位。満足いく結果ではなかった。「鼓舞しなければならないのに、最後の最後に助けてもらった。後輩たちに感謝です」と涙をぬぐった。箱根駅伝出場を目指し、埼玉県の中学体育教師を2年間休職。昨年、同大心理学部3年に編入した。徳本監督は今井のまじめな姿勢に「彼が背中を見せてくれた部分があった」と感謝した。

今井にとって、チームメートの永井竜二(3年)は教師として駆け出し時代の教え子だ。「一緒に同じゴールを見て走ってきて、同じ景色を見られてこれ以上ないな、と思います」。来年3月に卒業予定。個人的にラストチャンスだった。徳本監督は「置き土産じゃないけど、いい締めくくりにしてほしい」。本戦に向けて、“オールドルーキー”にハッパを掛けた。