1年生ながら、山登りの5区に挑んだ青学大の若林宏樹が、原晋監督から「若の神」の称号をもらった。4区の飯田貴之主将(4年)からトップでタスキを受けると、落ち着いた走りで区間3位の好走で、往路のゴールテープを切った。

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上り坂に入って、一気にギアチェンジ。ペースを上げたが、山を登り切ってから「風が強くて進まない。心が折れそうになった」とペースダウン。それでも「今、自分が出せる力は全て出し切った」と胸を張った。

15年91回大会の山登りで区間新を出した青学大の山の神、神野大地(現セルソース)に憧れた。登りが得意だったこともあり、原監督からの「青学じゃないと、山の神になっても意味がない」という誘い文句が入学の決め手になったという。

1年生で、往路優勝に貢献したが「区間賞を取れていないというのは事実」と悔しさもにじませる。「来年、再来年も区間賞を目指して、4年連続5区を走る」と、若の神から真の「山の神」への変身を誓った。

◆青学大と1年生 青学大は過去5回優勝しているが、その時に出場した1年生は3人しかいない。15年4区で、田村和希が区間新の快走で初優勝に貢献。16年の復路6区で、小野田勇次が区間2位の活躍で総合連覇に貢献。20年には岸本大紀が青学大史上初めて1年生で2区を任された。1時間7分3秒の好記録で6人抜きし、5時間21分16秒の新記録による往路優勝に勢いを与えた。ただ過去5回の全50区間で3人のみ。今回の往路5区間だけで2人の1年生の活躍。強豪校の激しい争いの中だけに、いかに偉業かが分かる。