往路5位の順大が優勝した2007年以来の好成績となる2位と健闘した。

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6区の牧瀬圭斗(4年)が区間賞の走りで3位に浮上すると、8区の津田将希(4年)も駒大の鈴木芽吹(2年)を抜いて2位に押し上げて区間賞。往路は1区18位と出遅れ、2区でも東京五輪の男子3000メートル障害7位入賞の三浦龍司(2年)が区間11位で不発に終わったが、「復路の順大」の伝統は健在だった。

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8区の津田の力走が、今年の順大を象徴していた。2位駒大に1秒差の3位でタスキを受けると、駒大の鈴木の背中に食らいついた。1万メートルの自己記録は29分台。27分台の鈴木には大きく劣るが、ハイペースにも振り切られなかった。12キロすぎに満を持してスパート。鈴木との勝負に勝って2位に浮上した。

トップ青学大との差も20秒縮める区間賞。昨年は5区13位と悔しい思いもしただけに「最初は駒大の鈴木選手にリズムをもらい、その後は自分のペースで走り切れた。ラスト1キロで長門監督から区間賞と区間2位じゃ大違いだぞと声をかけられた。うれしい」。高校、大学を通じて初の区間賞を素直に喜んだ。

優勝候補の一角に挙げられていたが、1区18位と出遅れた。注目の2区三浦の爆発力に期待したが、区間11位。この時点で17位にとどまったが、本領発揮はここから。3区伊予田が7人抜きで10位に浮上するなど往路残り3人で5位まで順位を押し上げ、復路6区の牧瀬がスタートから突っ込む区間賞の快走で、駒大との2位争いに加わった。

「箱根駅伝は速い者ではなく、強い者が勝つ。この1年は勝負にこだわった」と長門監督。トラックでは勝負できる前方で集団をリードするよう選手に要求した。ロードレースやチーム内の練習でも記録ではなく相手との戦いを意識させた。箱根のメンバーも勝負強さを重視。6区に起用した牧瀬についても「競り合いの場面で使えばどうにかしてくれるのかなと感じた」と話していた。

出遅れても監督が目標に掲げた「総合3位以内」を達成できた。それは、この1年間の成長の証しでもあった。10区近藤は「3年の夏合宿で監督にお前たちの世代は金太郎あめだ。存在感がない。どこを切っても同じだと言われたのが発奮材料になった」。レース後、前回優勝のメンバーでもある長門監督は「最高の金太郎あめになってくれた。今度は総合優勝を目指すと堂々と言える」と、11度優勝を誇る名門の完全復活を予感していた。【首藤正徳】

◆2区2桁順位からのトップ10入り 今年の順大は2区終了時の17位から、15も順位を上げて総合2位に躍進した。これは出場校を拡大した2003年大会以降、2区終了時から順位を上げた最大値になる。これまでの最大は09年の東洋大で、2区終了時の14位から順位を13上げて優勝した。これに続くのが10年の駒大の同13位から同2位と、07年大会の順大の同12位から優勝で、ともに順位を11上げた。

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