仙台育英(宮城)陸上競技部女子長距離の杉森心音主将(3年)が、実業団の強豪・日本郵政グループ(G)への入社が内定したことが14日、分かった。

同チームには小学生時代から憧れる東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子(31)、5000メートルの日本記録保持者で同五輪1万メートルで7位入賞した広中璃梨佳(22)らが在籍。2連覇を目指す25日の全国高校駅伝(都大路)では、仙台育英のエースとして快走し、有終の美を飾る。

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高校トップランナーの杉森は日本郵政Gで飛躍を期す。仙台育英では1年時から主力を担い、昨年の全国高校駅伝では2区区間賞で優勝に貢献。今夏の全国高校総体(インターハイ)3000メートルで5位(日本人2位)入賞を果たすなど世代をリードしてきた。

「日本郵政の選手でオリンピックや世界で活躍されている鈴木亜由子選手に小学生のときからずっと憧れていました。その憧れの存在を追っていきたいという気持ちと、(高橋昌彦)監督さんもどこのチームよりも良かったというのがあって、陸上1本に専念したいと思い、大学に進まずに実業団を選びました」

2月下旬頃に日本郵政Gの合宿に参加した。鈴木や広中といったトップ選手と練習し、入社後のイメージを膨らませ、「5月に入る前に決めたという感じです」。仙台育英で1学年先輩の山中菜摘(19)も同チームに在籍。「菜摘先輩の存在も進路を決める上で大きなきっかけになりました」と笑顔を見せた。

日本郵政Gは11月の全日本実業団対抗女子駅伝(クイーンズ駅伝)で3位に入った。エース区間の3区で広中と積水化学・新谷仁美(34)がデッドヒート。広中は区間賞の新谷に1秒及ばずに区間2位も、「やっぱり(広中の)粘り強い走りがすごいなと思って、自分も都大路でそういう走りがしたいですし、何度もYouTubeとかで見ました」。2人の競り合うシーンに刺激を受けたという。

自己ベストは3000メートルが9分00秒75、5000メートルが15分34秒54で、まずは過去の自分に照準を定める。

「世界を経験されている選手が(日本郵政Gに)たくさんいるので、そういう選手を目標に、高校時代の記録を社会人1年目で上回り、徐々に自己ベストを更新し、いつかは世界の舞台で戦いたいという思いはあります」

焦らずに1歩ずつ前に進む。【山田愛斗】

◆杉森心音(すぎもり・ここね)2004年(平16)11月19日生まれ、静岡県浜松市出身。北浜東小5年時に浜北ACで本格的に陸上を始める。北浜中3年時には全日本中学選手権(全中)1500メートル優勝。仙台育英では1年時に全国高校駅伝で2区区間7位。2年時は同駅伝で2区区間賞、東日本女子駅伝で1区区間2位、全国都道府県対抗女子駅伝で1区区間3位、U20日本選手権3000メートル優勝。3年時は全国高校総体3000メートル5位入賞、東日本駅伝で5区区間賞。自己ベストは3000メートルが9分00秒75、5000メートルが15分34秒54。家族は両親、妹、弟。152センチ。血液型A。