堂々の復活レースだ。

女子1万メートル日本記録保持者で、五輪2大会出場の新谷仁美(38=積水化学)が、優勝した。タイムは2時間24分14秒。

来年10月3日開催の28年ロサンゼルス五輪代表選考会マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場条件をクリアし、出場権も獲得した。

マラソンは6位だった24年東京以来、2年ぶり。

28日の直前会見で目標順位とタイムについて聞かれると、「ここではお伝えすることができない。全力を尽くして頑張りたい」ととどめていた。

MGC獲得に向けたポイントについては「42・195キロが全てだと思います」と簡潔にまとめていた。

昨年の名古屋ウィメンズマラソンは左足アキレス腱(けん)炎のため欠場。その後は左の足底筋膜炎を発症していたという。

過去に右足かかとのケガで一時引退していた経験もある新谷。しかし、復帰後は男子800メートル元日本記録保持者でもある横田真人氏の指導を受け、二人三脚で歩んできた。

中継局のUHB(北海道文化放送)のインタビュー番組では「即引退を決めた時はまるっきり一人で孤独の中で競技をやっていた。横田さんみたいに指導者とともに成長していくパートナー的な存在がいなかった。そこの違いがケガをしてでも続けられる理由」と語っていた。

北海道の出場は2位だった08年以来2度目。コースのイメージについては「今はもうどこの土地に行っても暑い。その点がどれだけ自分の体に影響を及ぼすか。後半の走りにどう生きていくかがちょっと怖さはあるが、ここをクリアすればまず2年後にあるロス五輪へのイメージづくりはできる。自分にとっては必要ですし、そこで自分が納得する結果をつかむことができれば」と話していた。

世界大会は21年東京五輪、22年世界選手権オレゴン大会(欠場)と遠ざかっている。

再び女子長距離界を引っ張る気持ちについては「あまり自分は背負っている感じはない。日本代表からは離れてしまっていて、現状では結果を出せていない。シビアに見ると選手として競技者としての価値はちょっと今下がりつつある」と現実を受け止めている。

それでも、「ロス五輪を目指す上で、絶対条件のMGC出場権獲得が今は現実的なところでは切符を取ることが一番最低限のライン」と新谷。38歳のベテランが、力強い足跡を刻んだ。

◆新谷仁美(にいや・ひとみ)1988年(昭63)2月26日、岡山県総社市生まれ。興譲館高を卒業後、豊田自動織機へ。14年に1度引退した後は、OL生活を経て、18年に現役復帰。現在は積水化学に所属し、男子800メートル元日本記録保持者の横田真人氏に師事している。マラソン自己ベストは23年ヒューストンの2時間19分24秒。

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