<陸上:第82回日本学生陸上競技対校選手権大会>◇第1日◇6日◇東京・国立競技場

 ロンドン五輪200メートル代表だった飯塚翔太(22=中大)が、男子100メートル準決勝で10秒22の自己新をマーク。九鬼巧(21=早大)には0・03秒届かなかったが、専門外の種目で成長の跡を見せた。

 今夏のモスクワ世界陸上200メートルは準決勝に進んだが、ウサイン・ボルト(27=ジャマイカ)らと一緒に走り世界との差が大きいことを痛感した。特に前半の100メートルで大きく離されてしまう課題が、より明確になった。

 今大会の予選では20~40メートルの加速で後続を一気に引き離した。準決勝では前半型の九鬼と同走だったためリードは奪えなかったが、加速局面の成長は明らかだった。「トップスピードまでの持って行き方、トップスピードでの走りは、今季の100メートルでは一番良かったと思います。山縣には準決勝も出ると聞いていたので騙されましたが(笑)、無理はしない方がいい。明日(7日)の決勝は僕が代わりに盛り上げます」

 好調の九鬼と10秒1台前半のハイレベルの戦いが期待できる。200メートルで日本人初の19秒台を狙う男が、夢の記録への足がかりをつかめるか。