「花の2区」が復活した。箱根駅伝(来年1月2、3日)に出場する21チームの区間エントリーが29日、都内で発表された。前回は「花の1区」として注目されたが、今回は2区にスピードランナーが勢ぞろい。駒大など往路重視で逃げ切りを図る戦略に、一層の拍車が掛かった。

 「スピード比べしたいメンバーがそろい、久しぶりの“花の2区”ですね」。来年2月の東京マラソンに挑戦する服部勇を2区に据えた東洋大・酒井監督がニンマリする。山梨学院大・上田監督は「突風のようなレースで母屋を揺るがし、崩壊してしまうような状況になる」とまで形容した。

 前回大会では2区終了時の上位6校が、そのまま総合6位以内に収まった。区間賞=往路V=総合優勝が方程式の山登り5区同様、前半の2区が勝負の鍵を握る。昨年は早大・大迫らエース級が1区に集結。今回はその1区以上に、豪華な顔ぶれが2区にそろった。

 2区の歴代日本人最高は順大・三代の1時間6分46秒。服部勇に現役NO・1の駒大・村山謙と城西大・村山紘の双子兄弟は条件次第で6分台が期待される。「今年の1区は、ばらけない。2区でまた“よーい、ドン”となる」と見込む青学大・原監督は、将来のマラソン界を担う一色を配した。明大・大六野、大東大・市田孝…。指揮官が「突風」と表した山梨学院大は「本人が覚悟を決めてやりたいと言ってきた」という前回故障で途中棄権のオムワンバを据えた。

 優勝候補の大本命、駒大・大八木監督は「スローより速い方が見ている人も面白いでしょう」とファン目線で語るが、もちろん思惑はある。混戦の1区で他校をバラけさせ、勝負の2区で優勝争いを絞り込む。そうはさせじと連覇を狙う東洋大、青学大が追って…。熱い火花が花の2区で散る。【渡辺佳彦】