<第91回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間107・5キロ)

 明大は2位でゴールも、66年ぶりの総合優勝へ黄色信号がともった。「最強世代」と呼ばれてきた4年生が常に区間上位の安定した走りを見せたが、トップ青学大に4分59秒差。5区で青学大・神野とほぼ同時にタスキを受けた文元慧(4年)も「神野くんがあんなに走るとは正直想定外。序盤からスピードを上げてきて完敗、脱帽です」と肩を落とした。

 不器用な4年生に対し、西監督は明大OBの故高倉健さんにちなみ「健さん軍団」と称した。中でも一番不器用なタイプが文元。2年連続で1区を走ったが、前回大会は5区の大失速が響き、チームは優勝争いから脱落。レース終了直後に「山登り」を志願した。

 だが、11月の全日本で1区を任され17位の大ブレーキ。言葉を失うほど落ち込んだ。指揮官から「明大をやめろ」とあおられ、「このまま引き下がれない」と反骨心が芽生えた。今大会の直前に左太もも裏を痛めたが、意地の走りで、復路へと望みをつないだ。

 往路5分差以上での逆転優勝は、過去7度ある。青学大を追う1番手には違いない。文元も「2位は負け。強い明治、これから強くなる明治を示したい」。最後まで諦めない。映画のような大逆転劇を演じてみせるつもりだ。【鎌田直秀】