<第91回箱根駅伝>◇2日◇往路◇東京-箱根(5区間107・5キロ)

 激戦2区を制した人間とは思えない。東洋大の服部勇馬(3年)は区間賞の1位でゴールすると、戸塚のゴール地点で倒れ込む。しばらくおえつを漏らし、言葉が出ない。少し落ち着くと「情けない。力が発揮できなかった」と絞り出した。「花の2区」で区間賞も、流したものは悔し涙だった。

 現役NO・1といわれた駒大・村山謙とのデッドヒートを制し、タイムでも双子兄弟の城西大・村山紘に11秒差をつけた。それでも「このタイムでは喜べない」という。設定は過去4人しかいない1時間6分台。歴代9位の1時間7分32秒では満足できなかった。

 大会前の会見では箱根駅伝について「しょせん、関東の1番を決める大会」と言った。最大の目標は、20年東京五輪のマラソンでメダルを取ること。普段から東洋大の酒井監督と長期的視野に立った練習をしている。来月22日には世界選手権代表選考の東京マラソンに出場予定。だからこそ、ただの区間賞には納得できなかった。

 連覇のかかる箱根を軽視したわけではない。昨年優勝の立役者となった設楽兄弟が卒業。エースとして「自分がもっと差を広げないといけなかった」と往路3位の責任を背負う。「来年も2区を走りたいが、5区も重要区間。どう取り組むか、監督と相談していきたい」。今年の連覇は厳しくなったが、最上級生となる来年も世界を見据えながら、箱根とマラソンの二刀流を追い求めていく。【田口潤】