18-19シーズンの自転車トラックワールドカップ(W杯)は、全6戦を終了した。トラック短距離チーム・ブノワジャパンは、男女ケイリンで合計5個、さらに男子チームスプリント(TSP)での銀メダル獲得など、大きな成果を挙げた。ブノワ・ベトゥヘッドコーチ(HC・45)はシーズンを総括し「これからが本当の戦い」と気を引き締めた。チームは、2月27日からポーランドで行われる世界選手権に向かう。

ブノワHC(左)は女子ケイリン銀メダルの太田りゆを出迎える
ブノワHC(左)は女子ケイリン銀メダルの太田りゆを出迎える

「メダル請負人」ブノワHCが、五輪出場がかかる今シーズンのW杯で結果を出した。第1戦での脇本雄太の金メダルをはじめ、男子ケイリンは3個のメダルを獲得。さらに、女子ケイリンでも小林優香と太田りゆの2人が初めてW杯メダルを獲得した。

特に第6戦の香港は、メダルラッシュとなった。初日はTSPで雨谷一樹、新田祐大、深谷知広が銀メダルを獲得。W杯では12年10月以来、約6年ぶりのTSPメダル獲得だ。さらに、男子ケイリンで河端朋之が銀メダル、そして太田の銀。W杯1戦で3つのメダルという好結果をもたらし、世界との差を着実に縮めた。

27日に開幕するポーランドでの世界選手権へ向け、司令官は冷静に「挑戦するだけだ。もちろん、いい兆候もあるし前向きだよ」と語ると、日本語で「これからが本当の戦い」と言い切った。

ブノワはシーズンを振り返り「いい兆候があったのはケイリンで、金銀銅とメダルを取れて選手が成長している。でも勝つためにはもっと厳しい練習を続けなければならない。世界に向けては日本チームが東京2020に向けて強くなったと示すことが大事。ただ、(五輪で)メダルを取るためにはまだ長い道のりがある」と慎重に分析する。

今シーズン、ケイリンでは男女ともトップと遜色ない結果を出した。一方、スプリントは男女ともあと1歩での敗退が響いた。だが、ブノワの手腕なら、悲観する必要はない。なぜなら、一時は厳しいと言われたTSPでアジア選手権の金と、W杯銀メダルを獲得し、シーズン後半に成長を示した実績があるからだ

ポーランドでの頂上決戦まであと半月。昨年は河端の銀メダルを手みやげに帰ってきたブノワジャパンが、今年はどんな成果をもたらすのか楽しみだ。