サッカーJ2の名門クラブ、東京ヴェルディのホームゲームを華やかに盛り上げるのがチアパフォーマンスチーム「VERDY VENUS(ヴェルディ・ヴィーナス)」だ。2011年に発足したチームは今年からアカデミーを新設。「育成のヴェルディ」ともいわれたサッカーチーム同様、チアチームも次世代の発掘、育成に力を注ぐ。

味の素スタジアムでフラッグを持って応援する「ヴェルディ・ヴィーナス」(C)TOKYO VERDY
味の素スタジアムでフラッグを持って応援する「ヴェルディ・ヴィーナス」(C)TOKYO VERDY

チームは毎年12月に、トライアウトを実施し、メンバーを選抜。現在、18歳から20代までの25人が所属。ホームの味の素スタジアムで、チームカラーの緑色のポンポンをはじめ、タオルマフラー、フラッグ、メガホン、手拭いなどを使って選手やサポーターに力を与えている女神だ。

リーダーのNatsumi.O
リーダーのNatsumi.O

リーダーは今年3年目、大学生のNatsumi.O。3歳の時からクラシックバレエを習い、高校進学とともに競技チアを始めた。「競技チアはライバルとの戦いがあるのですが、今は純粋にダンスを楽しんでいます。広い味の素スタジアムで踊るのは気持ちいいです」と笑顔がまぶしい。

サッカーに興味を持ったのはメンバー入りしてから。「去年はプレーオフでいいところ(ジュビロ磐田とのJ1参入戦で敗退)まで行ったので、アウェーまで応援に行きました。注目選手は、コパ・アメリカの日本代表になった渡辺皓太さん(MF)。年も近いので、刺激になります」。

力強い応援で名門チームを盛り上げる
力強い応援で名門チームを盛り上げる

練習は週に1回、約2時間半の平日練習を基本に、月に2回の追加練習も。ほかにも、ホームタウン活動として、ヴェルディが主催する障がい者向けのスポーツ教室(多摩、日野、稲城、渋谷)でもチアダンスを教えている。スポーツクラブ「NAS」の高尾店、西日暮里店、町屋店、永山店では園児から小学生までを対象にした「キッズチアスクール」も展開し、約80人が学んでいる。

緑のコスチュームがスタジアムに映える
緑のコスチュームがスタジアムに映える

さらには今年、高校生までを対象にした「チアダンスアカデミー」も稲城とお茶の水でスタートさせた。「9人が所属していますが、中には小さい頃から、試合を見て、ヴィーナスに憧れて、入った子もいます」と話すのはディレクターの小高智織さん。試合ではスクールやアカデミーのメンバーがダンスを披露することもある。

ゼネラルマネジャーの小田切玲子さんは「もっと地域に密着し、ヴィーナスのファンを増やしていきたいと思っています。そのためにもアカデミーを作りました。定着すれば、サッカー場に若い女性が増え、サッカー自体の客層も広がりますから」。緑の女神たちはこれからもヴェルディとともに歩み続ける。

◆「VERDY VENUS」 11年に発足。スローガンは「情熱!」「輝き!」「絆!」で、25人が所属。ビーチサッカーやバレーの応援でも活躍。