1週間、お休みしている間にさらに秋が深まりましたね。日本のトーナメントも男女、シニアともに盛り上がる季節を迎えました。あなたのゴルフはどうですか? 毎週火曜日、好評連載中の「タケ小山のゴルフ即効薬~今週の処方箋」。今回のテーマは「ショートウッドは使わにゃソンソン!」です。みんなの味方、ショートウッドと仲良くなりましょう。

5番ウッド(右)と20度の4番ユーティリティー
5番ウッド(右)と20度の4番ユーティリティー

 何しろ、球を上げやすい。ソールが広くてダフらず、地面に刺さらない。そんないいことずくめのクラブが、ショートウッドです。ユーティリティーと言った方が分かりやすいかな? ウッドとアイアンの両方のいいとこ取りをしたクラブがこれです。言葉通り、まさに「便利屋」。使わない手はありません。

 タケ小山がゴルフを始めた35年前には、こんなクラブはありませんでした。ショートウッドと呼ばれる7番ウッド、9番ウッド、さらには11番ウッドなんてものが出てきた最初の頃は「あんなのヘタクソや非力なヤツが使うクラブだ」なんて言われてたし“タラコ”と呼ばれたユーティリティーのハシリのクラブが出てきたときも、ある意味“イロモノ”扱いでした。

 それがあっという間に広がったのは、使い勝手がいいからにほかなりません。アニカ・ソレンスタム選手が全米女子オープンで勝った時の武器として、キャロウェイのヘブンウッドと呼ばれた7番ウッドが脚光を浴びたり、日本では、ゴルフのためならなりふり構わない片山晋呉選手が真っ先にバッグに入れたりしたこともあるでしょう。

 以前は、アマチュアでも男性なら4番、5番アイアンをバッグに入れているのは当たり前。上手な人、あるいは上手だと思っていると思っている人(笑い)は、ロングアイアンを持っていたものでした。でも、本当にこれが使える人となると本当に限られていた。難しいクラブですからね。それに代わって、あっという間に広がったのが、ショートウッド=ユーティリティーなのです。

 ウッドに近い形状のものと、アイアンに近い形状のものに分かれますが、どちらを選ぶかはあなた次第。いずれにしても、重心位置が後ろに下がっていてボールが上がりやすく、ソールが広いから地面に刺さりにくく、滑らせやすい。易しいクラブなんです。

 ラフや難しいライなど、ボールを上げにくいときには本当に助かるクラブだから、ぜひ、上手に使ってください。くだらない“男のプライド”で、使いもしない5番アイアン、4番アイアンを飾りのようにバッグに入れていてもいいスコアは出ません。ゴルフの便利屋、いや、何でも屋と言っていいユーティリティーを上手に使ってください。見違えるほど、易しくゴルフができて楽しくなりますよ。

ショートウッド=ユーティリティーは易しいクラブ
ショートウッド=ユーティリティーは易しいクラブ

今週の処方箋

困ったときにはユーティリティー

【服用法】難しいライでも易しく打てる。見えを張らずに使ってみよう。

 ◆タケ小山(こやま)本名・小山武明。1964年(昭39)7月7日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して89年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。07年に帰国し、日本ツアーに参戦。08年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。TBS系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。InterFMの「Green Jacket」(土曜午前5~8時)、文化放送の「The News Masters TOKYO」(月~金曜午前7~9時)などに出演。

◆協力 ザ・インペリアルCC(茨城県稲敷市)

◆取材・構成 遠藤淳子(清流舎)

◆撮影 松本俊