今週も火曜日の朝がやってきました。みなさん、いかがお過ごしでしょうか？　タケ小山（５３）も元気でやっております。好評連載中の「タケ小山のゴルフ即効薬～今週の処方箋」。今回のテーマは「『ただ遠くへ飛ばす』じゃなく『どこへ運ぶか』」です。ゴルフの本質に迫るお話ですよ。

ゴルフはターゲットスポーツです

　ゴルフというスポーツは、ただボールをかっ飛ばすスポーツではありません。今更言うまでもないことですが、どうも勘違いしている人が多いようなので念のため。以前から言っているように、ゴルフはターゲットスポーツ。ボールを、どこに、どのクラブで運び、何打でカップに入れるか、というスポーツなんです。

　以前、キャリーとトータル、両方のドライバーの距離をしっかり把握しておく話をしましたが、それを考えて、ティーショットから組み立てるのがゴルフです。タケ小山の場合、ドライバーの飛距離は現在２５０ヤード。だから、左ドッグレッグでＯＢもあり、林もある写真のようなホールでは、ドライバーは使いません。ティーグラウンドから２３０ヤード飛ばすのがベストなのだから、ドライバーの代わりに使うのは３Ｗ。これで十分、いやこれがベストなんです。

　ティーグラウンドに上がる時、パー３以外では何も考えずにバッグからドライバーを取り出すアマチュアも少なくありません。どんなホールか分からず、ティーショットをどこに運べばいいか分からないうちにそれを選択しているだけで、アナタの腕前がばれてしまうというものです。プロやトップアマは、決してそんなことをしません。どんなホールか分かって、攻め方を考えた上で、ティーショットで使うクラブを選ぶのです。ワンパターンにドライバーを振って池に入れ「ああ！　飛び過ぎた！」と叫んでいるようでは、スコアがよくなるはずはないのです。

　セカンドショット以降も同じことです。パー５のフェアウエーにボールがあるからといって、２オンの可能性もないのに、できるだけ遠くに飛ばそうとして長いクラブを持てばいいというものではないのです。２オンが狙えるようなホールというものは、グリーンの手前にさまざまなトラップ（ワナ）が待ち受けているもの。たくさんのディボット跡がある場合もあります。ナイスショットの余韻に酔ったままそこまで歩いて行って「ツイてない」と嘆くのは間違っています。そのくらいのことはきちんと予想して、自分の飛距離を計算して臨めば、狙う時は狙う、刻むときは刻むという判断ができるはずです。

　繰り返します。ゴルフはターゲットスポーツです。ただ、飛ばせばいいというものではありませんよ。早く卒業してください。

ドライバーのナイスショットは最高だけど…

　◆タケ小山（こやま）本名・小山武明。１９６４年（昭３９）７月７日、東京都生まれ。中大卒業後、プロゴルファーを目指して８９年に渡米し、フロリダ州のゴルフ場所属プロとなる。米、カナダ、オーストラリア、アジアなどのツアーでプレー。０７年に帰国し、日本ツアーに参戦。０８年に早大大学院でスポーツマネジメントを学ぶ。ザ・ゴルフチャンネル、ゴルフネットワークなどでのトーナメント解説には定評がある。ＴＢＳ系「サンデーモーニング」の「屋根裏のプロゴルファー」として知られる。ＩｎｔｅｒＦＭの「Ｇｒｅｅｎ　Ｊａｃｋｅｔ」（土曜午前５～８時）、文化放送の「Ｔｈｅ　Ｎｅｗｓ　Ｍａｓｔｅｒｓ　ＴＯＫＹＯ」（月～金曜午前７～９時）などに出演。