チーム最年少22歳の渡辺彩香(ユピテル)が、日本に優勝をもたらした。

 シングルスのこの日は、韓国の趙允之(チョ・ユンジ、24)と対戦した。今大会が生涯初体験のマッチプレーで、11番を終えて2ダウンだったが、12番から3連続で奪って逆転。16番を落とし、オールスクエア(同点)で迎えた17番からスーパープレーを連発した。

 「13番を終わったとき、私の勝ち負けが(全体の勝敗に)大きいとわかっていた」。シングルス全9試合中、すでに5勝は濃厚だったがものの、全勝ペースの韓国に猛追を許した。欧州勢と戦う原は接戦で、大山、上田は韓国勢相手に敗戦濃厚まで追い込まれていた。

 17番パー4は、第2打で趙にピン1・8メートルにつけられたが「絶対に内側につけてやる」と、残り105ヤードを49度のウエッジで1・5メートルにつけ、バーディーを奪って1アップに。最終18番は3メートルのチャンスだった趙の外側、5メートルからバーディーパットをねじ込んだ。すでに試合の終わっていた成田、笠、飯島、菊地、酒井、大山らが見守る中、日本の事実上のウイニングパットを決めた。

 「先輩たちがいてくれて、心強くて、ホッとして…」とツアー過去3勝時にも見せなかった涙を見せた。

 今季は開幕3戦連続予選落ちから始まり、最終的に賞金ランクは日本勢最高の6位。だが、最終戦で5位から落ち、来年の全米女子オープン出場権を逃すなど、喜びと悔しさを味わってきた。飛距離はツアー屈指。日本の次代のエースは「今日のような気持ちを持ち続けることができたら、来年にきっとつながっていくと思います」と声を弾ませた。