最終日のシングルス12試合を前に開いた両チームのポイント差は11。

 世界選抜が唯一勝利した98年大会の9ポイントを上回り、大会史上最大差となった。

 午後に行われたフォアボール4試合で全て敗れれば、最終日を前に勝敗が決まっていた。そんな屈辱を阻止したのが、世界選抜のアニルバン・ラヒリ(30=インド)と金シウ(22=韓国)のコンビ。チャーリー・ホフマン(40)&ケビン・チャペル(31)ペアに1アップで競り勝ち、第3日唯一の白星を挙げた。

 15番に金シウのバーディーで追いつくと、さらに目覚ましい活躍を見せたのがラヒリだった。16番パー3はティーショットをピン下5メートルにつけ、これを沈めて1アップ。続く17番では先にホフマンがグリーン手前から劇的なチップインバーディー。お祭り騒ぎのような米国チームを尻目に4メートルのスライスラインをねじ込んでこのホールを引き分けに持ち込み、喜びを爆発させた。

 メンバー選出時、ランク16番手だった。10人の自動選出から漏れ、前回15年大会に出場した経験を買われる形で、ニック・プライス(ジンバブエ)の主将推薦によって滑り込んだ“12番目の男”。その前回大会では最終日のシングルスで最終ホールでショートパットを外して敗れ、チームが1ポイント差で敗れている。悔しさを晴らし、世界選抜の意地を見せたラヒリは「アメリカは本当に強い。でも、僕たちにもいい選手がそろっている。まだ戦える。まだ終わっていない。プライドをかけて、最高のプレーをしたい」。1ポイントも落とせない絶体絶命の状況だが、熱い言葉でチームを鼓舞した。