有村智恵(30=日本HP)が涙の復活優勝を飾った。首位と2打差の8位からスタートし、6バーディー、ボギーなしでこの日ベストスコアの66をマーク。通算13アンダーの203で、6季ぶり通算14度目の優勝を逆転で決めた。米女子ツアーでの挫折を乗り越え、強い有村が戻ってきた。

 有村以上に涙を流していたのが、姉の美佳さん(32)だ。「まさか勝つとは思っていなかったので。6年間は本当に長かった」と声を詰まらせた。米ツアー参戦時にサポートをしていた美佳さんは、国内ツアー復帰後も熊本から大会会場に足を運んだ。今回も有村に梅ひじき入りおにぎりを握り、フルーツを暑さ対策に持たせていた。

 16年4月の熊本地震では、上益城郡鹿島町の自宅で有村とともに被災。母親の友人宅に1週間身を寄せた。その際、国内ツアー復帰の相談も受けたという。「こんなに頑張っているのに、5年も6年も結果が出ないで。今シーズンもどうなるのかと心配していたけど、早めに結果が出て良かった」。地震の揺れで自宅にあった過去13勝のトロフィーはすべて壊れてしまった。「新しいトロフィーを飾ることができます」と美佳さんは喜んでいた。