黄金世代の原英莉花(20=日本通運)が5バーディー、ノーボギーの67で回り、首位タイにつけた。

前日の練習ラウンドができなかった不安もあったが、横峯さくらの夫でメンタルトレーナーの森川陽太郎氏(38)の著書を読み感銘、心にゆとりを持てたことで不安を払拭(ふっしょく)し、乗り切った。賞金ランキング上位5人に与えられる7月のAIG全英女子オープンの出場権ゲットへ、好スタートを切った。

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原が2勝目へ好発進した。4アンダーまで伸ばして迎えた後半14番パー5。1・5メートルのバーディーパットを外し、集中力が切れかけた。だが第2打が木にかかるピンチだった16番パー4をパーで切り抜ける。これで再び気合が入った。

続く17番パー4で残り110ヤードの第2打を4メートルにつけてバーディーとし、首位を奪った。5メートル以上の風が吹く悪条件の中、初優勝した今月上旬のリゾートトラスト・レディースと同じ位置で第1日を終えた。「無理に狙いすぎず、少し余裕を持ったプレーで1日できた」と納得の表情だった。

前日の練習ラウンドは申し込みが遅れてできなかった。今年から改修された9番パー3は難易度が高まっており、確認ができなかったことは痛手だった。その9番、ピンはグリーン左奥にありながら、ティーショットが右奥に行き20メートルものパットを残した。動揺する局面を迎えたが「OKライン・メンタルトレーニング」を開発した横峯の夫、森川氏の著書を思い出した。このOKラインとは自分に課す「ハードル」を上げず許容範囲を広げることがテーマ。焦ることなく打ち出した第2打を1・5メートルに寄せ、パーでしのいだ。「自分に厳しすぎるのも善しあしなんだなって。OKラインが(今日の)キーポイントかな」と笑った。

今大会終了時点で賞金ランキング5位以内の選手に全英女子オープンの切符が与えられるが、優勝なら文句なしで手に入る。「今の自分の立場だったら挑戦してもいいのかな」と、2つめのタイトルを視界に入れた。【松末守司】