松山英樹(27=LEXUS)が「地の利」を生かして好発進した。7バーディー、2ボギーの5アンダー65で、首位タイガー・ウッズ(米国)らに1打差の3位につけた。1万8536人と異例の大ギャラリーが集まった中、声援を力にし、米ツアー本格参戦7シーズン目の本領を発揮。昨年11月ダンロップ・フェニックス以来の「凱旋(がいせん)試合」で、米ツアー6勝目を目指す。

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松山がいきなり、日本のエースらしさを見せた。1番で3メートルのバーディーパットを決めて、大観衆の喝采を浴びた。5番では左奥5メートルを沈めるなどパットは安定。10番ではカップ横1メートル、15番では30センチに寄せるなど、ショットも切れた。「いい位置。明日以降もこれを続けられるように」と素直に喜んだ。

前週CJカップ最終日に65を出して3位で終えるなど、上り調子だ。日本特有の狭い林間コースで林につかまることなく、「ドライバーの調子は最近で最もいい」と振り返る。同時に「たくさんのギャラリーのおかげ」と感謝した。「松山、頑張れ!」「英樹!」と無数の声援に「名前を呼ばれるだけでうれしい」。1番から観客がロープ際をびっしり埋める光景に、16年日本オープンを思い出した。やはりスコットと同組で「同じような感じだなあ、と」。同大会でも米ツアー仕込みの底力で難コースを制した。

さらに「芝が(米国と)全然違う。僕は日本で育ったので、すごくやりやすい印象」と、コースにもアドバンテージを感じている。ウッズが首位であることには「う~ん、まあ、別に…」と照れ笑いし、自然体をうかがわせた。日本で主役の座を譲るわけにはいかない。【岡田美奈】