計8Rの後半戦が始まり、渋野日向子(23=サントリー)が第5Rを通算11アンダー、347で終え、24位スタートから暫定首位と12打差の同11位に浮上した。濃霧による2時間45分の競技開始遅れで日没順延となり、74人中14人が競技終了できない中で6バーディー、1ボギーの67をマーク。来季米ツアー全戦にほぼ出場が見込まれる20位以内に前進した。古江彩佳(21=富士通)は16ホールを終え、4バーディー、3ボギーで通算12アンダー。7位から出て暫定9位にいる。

   ◇   ◇   ◇

ハイランドオークスGCの最長パー4(425ヤード)で、渋野はバーディーを奪った。後半14番、ドライバーショットをフェアウエーに置き、打ち上げの第2打はユーティリティー。ボールは、急勾配でグリーン奥下まで転がり落ちるスロープ寸前で止まった。7メートルのバーディーパットは、流れるようにカップに消えた。

「あそこで(バーディーを)とれるとは思ってなかったので、うれしかった」。安定したショット、積極性に加え、運もあった。気を良くし、17番パー3は4メートルを沈め、最終18番パー4は第2打をピン20センチへ。日没が近づく中、2連続バーディーで締めくくった。

開催コースの特徴はアンジュレーションにある。渋野が「堅焼きポテチ」と表現するグリーンは複雑に波立ち、ピンが切られた面に乗せないとライン読み、距離感とも難しくなる。それでも、伸ばすべき日だった。コース状態不良でローカルルールの「プリファードライ」が採用され、好条件でグリーンを狙うショットが打てた。さらに濃霧もあってグリーン面はウエット。実際、出場74人中61人がアンダーパープレー。バーディー合戦に乗り遅れず、67をマークした。

濃霧で2時間45分もスタートが遅れたが、車中で早朝の寒さをしのぎ、散歩、ゴルフボールのサッカーで楽しんで時間をつぶし、ストレスを解消した。「最後まで(日没にかからず)回り切れて良かった。先週は出遅れて“取り返さないと”と思ったけど、いいスタートが切れて、明日につながります」。目標の20位以内へ、長丁場の後半戦を理想的に滑り出した。

◆プリファードライ 降雨などでコース状況が極端に悪化した際に採用されるローカル・ルール。ボールがラフなどを除く、芝が刈り込まれたエリア(フェアウエー、グリーンエッジなど)に止まった場合、無罰で拾い上げ、拭き、適切なライにプレース(置くこと)できる。