<国内女子ゴルフツアー アース・モンダミン・カップ>◇最終日◇26日◇千葉・カメリアヒルズCC(6639ヤード、パー72)◇賞金総額3億円(優勝5400万円)◇有観客開催

 

プロ8年目の木村彩子(26=富山常備薬)が6打差大逆転でツアー初勝利を挙げた。首位に6打差の9位で出て4バーディー、1ボギーの69で回り、通算4アンダー、284。優勝賞金5400万円は同じ週に開催された男子ツアーの賞金総額を超える、国内女子ツアー最高額。車好きだけに、「2700万円」のBMW購入を検討。ビッグな夢の膨らむ、記念の1勝となった。

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母美保さんによると、木村は小学生の時、父東吾さんに連れられ、伊藤園レディースに行き、宮里藍にあこがれた。18歳で受けた14年のプロテストは不合格。木村は「ゴルフをやめたいと思った」と明かした。一日中だらだら過ごし、見かねた母から「お金は無限に出てくるものじゃない。自分で好きなものを買えるくらい、お金を稼ぎなさい」と言われた。

「知識を生かせるし、ピッピッって、レジ打ちをやってみたかったので(笑い)」。求人募集を見て、時給1000円と割が良さそうな、東京駅近くの「ゴルフパートナー八重洲北口店」でアルバイトを始めた。場所柄、サラリーマンが多かった。女性店員が珍しく「ゴルフ詳しい?」と聞かれ続けた。店長と相談し「ベストスコア67」と名札に記した。すると「どのウエッジがいい」などと相談が増えた。「答えないといけないので、シャフトの勉強をすごくしました。社会勉強にもなった」と今に経験が生きる。

常連客からも励まされた。「『ツアーに行って、もっと稼げるようになるよ』と言われた。もう1回頑張ろうと思いました」。15年夏に2度目のプロテストに合格する前まで続けたアルバイトが、転機の1つにもなった。

 

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