悪天候によるコースコンディション悪化のため最終日の競技が中止となり、通算6アンダー138で首位に並んでいたパンナラト・サイパン(25=タイ)と呉佳晏(ウーチャイェン・19=台湾)によるプレーオフが行われ、サイパンが優勝を飾った。

ともに昨年のプロテストに合格し、初優勝を目指した2人による15番パー3でのプレーオフは、1ホール目で呉が3パットボギーとしたのに対し、サイパンはパーセーブして決着。クールビューティーと話題になっており、優勝にもクールな表情を崩さなかったが「ハッピー。本当にうれしいの一言です」。母国・タイでのツアー優勝経験はあったが、日本ツアーでの勝利を喜んだ。

16年から米国を主戦場にしていたが「S・ランクンやO・サタヤに『日本ツアーはいいところだし、向いてる』って言われた」と昨年のプロテスト、QTを受けて日本ツアーに参戦。母国の母親と毎晩30分会話するのが日課で、この日のプレーオフ前にも連絡し「グッドラック。どんな結果になろうと頑張って」とエールをもらったという。今晩の電話は「多分、長くなりそう」と笑った。

洋服が好きでオフの日はショッピングで息抜き。「そばが好き。天ぷらも好きなので、天ぷらそばがいい」と日本食にもなじんでいる。初優勝したことで「今日は焼き肉がいいかな」とおどけた。

身長169センチから繰り出すドライバーの飛距離は、他の選手からも「めちゃくちゃ飛びます」と評され、狭いコースでも臆することなくドライバーを握る。ツアーのない時は尾崎将司のアカデミーにも通い、「とにかく飛ばせ」とアドバイスも受けている。

優勝を果たしたが、目標は「レギュラーツアーでやっていくこと。今は日本でプレーして、出れるチャンスがあればメジャーにも出たい」。5月に行われたブリヂストン・レディースでは、初日を6位発進し、最終的にも43位と結果も残した。「レギュラーツアーの選手はショートゲームがうまい。そのレベルに追いつきたいと練習した結果が今回につながったかな」。今後は来週のレギュラーツアー、サントリーレディースのマンデートーナメントやアース・モンダミン・カップへの出場を予定。ステップアップツアー優勝をきっかけに飛躍していきそうだ。